米国トータルヘルス誌 1997年11月3日 19刊 3号
バランス・バイ・ニシ
人類初の7大陸でのマラソンを7ヶ月間で完走を果たした西 一は、地球とそこに暮らす全ての生命体にバランスをもたらすミッションに取組んでいる。
西 一が未体験の僅かに残った世界的に有名なマラソンの一つ、ボストンマラソンを彼の笑顔で止めることが出来た。彼の笑顔は心の奥底から生まれ、目を通し輝き、地球の大半の景観や人々を見てきた。
自分自身の生命に関する肉体、心、精神、そして彼が世界と分かち合いと強いる、環境との関係との確かなバランスを見つけた人間だけから生まれる笑顔だ。
この人物は1995年、一年間で34マラソンを走破し、年間最多国際マラソン走破世界記録保持者だ。
9年以内で100の国際マラソンを走破し、新たな世界記録達成に向かっている。この夏、彼はアフリカのキリマンジャロ・マラソンからオセアニアのフレッチャー・チャレンジ・マラソン、そして南極点近くの氷河の上での南極マラソンを含む7大陸での7マラソンを7ヶ月で走った最初の人類となった。
どこに行っても人々は彼にどの様にそれを成し遂げたのかと訊ねる。もっと深遠な質問は「なぜ?」。
「私の人生のバランスの一部であるから、走るのです。」と、はじめは答える。「通り過ぎる場所や居合わせた人々と出会い、彼らから学ぶ楽しみの為に走るのです。全てのランナー、ウォーカー、サイクリスト、そしてフィットネスに興味ある他の人々は、私達自身の身体的健康の先を見つめ、地球の健康、すなわち環境を見守る責任があると信じています。」
その様な理由で、はじめは世界のランナー達の間に環境への気付き高め、保護を推進する非営利団体、エコマラソン・インターナショナルを設立した。
「健全な環境下でないと走りの楽しさは得られません。」と彼は語る。「私達はランナーとして、またフィットネスに奉ずる市民として、自然環境の保全と育成に努める方法を導くことが必要です。」「吸う空気や飲む水の質は、私達の走り、歩き、泳ぎ、自転車こぎや登山に大きな影響を与えるのです。」
エコマラソン・インターナショナルの起源は、数年前にはじめがモニュメント・バレー50マイラーを走った時に始まる。この日本生まれの彼はユタ州とアリゾナ州沿いのナバホ族の聖地の真ん中で突然自分自身を見つけた。「ここはとても特別な土地だと感じ取った。」とはじめは思い起こした。「そこをただ走る以上のことをしたくなった。土地に(走らせて貰う)何かの恩返しを。」
この深い感覚の結果、タイムの為にレースを走ること無しに、コース沿いのゴミを拾い始め、途中のゴミ箱に入れていった。しかし、彼がゴールに到着した時、制限時間を越え、完走タイムを受取ることは出来なかった。「しかし、私はレースに勝ったのです。」と彼は語る。「勝敗にはバランスがあります。参加費を払うだけでは土地に対し適切とは感じなかったのです。私はその美しい場所にささやかな恩返しが出来たことに幸せでした。」
はじめに取って人生のバランスを探求することは何よりも大切なことだ。彼は建築家で、写真家で、ライター(「超シェイプアップ」の著者。)で、実業家で、父親である。バランスに関する彼のコミットメントとは、10代の子供達との時間や、走るスケジュールや、仕事や執筆等の時間を工面することだ。それは彼の食生活から自分自身を引き立てる方法まで、生活の全ての局面に於いての節度も意味している。彼はきつく、即効性のあるダイエットは行わない。「何が私にとって良いか、また何が悪いかを私は知っています。私は体が欲しがり、要求する食べたいものを食べ、そして、体が心地良いと感じるものと、そうでないものを知っています。」
自己を引き立てる領域では、はじめは節度ある舵取りをする。彼は以前、ナイキから「Just Do It」キャンペーンのTVコマーシャルに出演しないか、と打診されたが、「Just Do It Right」とか、「Do It With Balance」であるべきと感じ、出演を断った。彼は世界的なデビューを果たせたにも拘らず、謙虚にもその機会を見送り、他の出演できる人と接触する様、同社に助言した。
「フィットネスとはトレーニング、エクササイズそして食事の正しいバランスを正確に追求することに他ならない。」とはじめは語る。「私達の地球の生態学的なフィットネスもそのバランスと同じ事象なのです。
走ることはとても個人的な事で、私はマラソンを走る事と人生の哲学を組合わせることを学んだのです。
私に取ってマラソンは世界の美しい場所を眺め、多くの文化の人々と対面し、語り合う機会なのです。
私は参加する全てのマラソンにカメラとビデオを持って走り、途中、立ち止まり人々と語り、彼らの写真
を撮り、彼らの物語りを聞き、そして私の環境への愛と関心を分かち合います。走ることは私に地球の全体
性や神聖さ、そして世界中に生息する多くの文化や自然への感謝を楽しませてくれるのです。走る人々はとても純粋な方法で交流していると思います。文化間のより良いコミュニケーションやより深い相互理解を世界は必要としているのです。人々が互いに理解しえないから戦争が始まります。私の願いは、人々が独占よりも分かち合いを考える、‘ワン・ピープル、ワン・プラネット’と呼ぶより良い世界を未来世代の為に実現することです。自然を征服しようとするのではなく、自然に受入れられることを追求しなければなりません。」
はじめはそれらの原則を彼の走りに翻訳している。彼はマラソンのコースで征服しようとはしない。従来の意味の「勝ち」の為には走らない。彼は善意を広げる為に走る。彼が好む、「地球の鼓動に心拍を合わせ」ながら走る。彼は限界を超える程、自分自身を追い詰めない。「私はその事に関しては誰にも証明する必要はありません。」と語る。「私は起こる事をありのままに受入れます。もしマラソン中、膝に問題が起きたら、速度を落とし、私の頭を切り替えます。そしてマラソンの残りをランナーではなく、ウォーカーとして歩きます。」
昨年、はじめは彼のエコマラソン・インターナショナルと米国の会社、バランス・バイ・ニシとチームを組み、暮らしの全ての事実でのバランスの概念を推進する一連のスポーツウェア市場開拓を始めた。同組織は、はじめの哲学をプロモートする為、Balance By Nishiのロゴや様々なスローガンが入ったTシャツ、セーター、ヘンリーネック、スポーツシャツや帽子等の商品開発を行った。マーケティング・ディレクターのロン・ジョンソン氏は、それらの商品は着る人々のファッション感覚を伝えるだけでなく、人々の価値観に関するとても大切な何かを伝える高品質のスポーツウェアとしてデザインされた、と語る。全売上げの一部は世界の人々に彼の力強い笑顔でマニフェストされたバランスの哲学を広げるミッションを継続する為にエコマラソン・インターナショナルへ支給される。
Tuesday, February 9, 2010
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